世界各地を放浪し、病人や困った人々を善意で救う闇医者。かつては名医と呼ばれていたが、とある医療ミスを機に殺人鬼へと変貌してしまった。時を経て正気を取り戻したファウストは、その悪行を悔い、贖罪として善行を重ねている。しかし狂人としての正体を隠すべく、紙袋を被り素顔は隠している。また、過去に奇跡と称されたその超高度医療技術は今も健在であり、戦闘にも応用されている。現在はあの医療ミスが何者かによって仕組まれたという事実を知り、真相を追い求めている。
ある日、ファウストの元に一通の手紙が届く。それは旧友スレイヤーからの手紙だった。そこには、あの忌まわしき事件の真実に近づく方法が記してあった。ファウストは覚悟と万感の思いを胸に、手紙の記す場所へと向かった。
脈絡のない言葉を発したと思えば、哲学的な持論を展開し、ある時は人の進むべき道を諭したりもする。ファウストは乱心したことをきっかけに人格が破綻してしまったが、平静を取り戻してからもその後遺症が残っている。そのため、支離滅裂な言動は今も続いているが、在りし日の名医と変わらず、思いやりに富んだ心優しき性格である。